漫画「PARADISE KISS」★★★★☆高校生の早坂紫はある日俺様系イケメンに出会う
漫画「PARADISE KISS」全5巻 著者 矢沢 あい
★★★★☆ (個人評価 ★多めならおすすめ)
有名進学校に通う高校三年生の早坂紫はある日街でモデルをやってくれないかと頼まれる。
それは芸術学校で行われる自作の洋服で行われるファッションショーのモデルだった。
大学受験でそれどころではない紫は断るのだが、アトリエで生徒手帳を落としてしまう。
それを届けてくれたのがジョージという美形の俺様男だった。
何のために大学へ行くのか、目的を見失っていた紫はモデルを引き受けるのだが。
Paradise kiss 全5巻 完結セット (Feelコミックス) - 矢沢 あい
NANAの作者、矢沢あい作。
絵も綺麗だし、ストーリーも良い。
教育ママに好かれるために勉強するってありがちな気がするな。
親に認めて欲しくて頑張る、頑張ればきっと愛してもらえる…と。
子供にそんな風に思わせてしまったらあかんなぁ、きっと。
あなたはあなただからこそ愛してる…と言えないとあかんのやわ。
でもな…。
そら、親としては良い大学入って良い会社入って…生活安定して欲しいもん。
紫の母親は極端かもしれんけど、気持ちはわかるわ。
しかしね、この漫画美形しか出てこない。
スタイルも抜群の人々。
そして出てくる洋服がまたきらびやか~。
なんていうか別世界のお話。
未来への不安に押しつぶされそうで、自分の意思がなかった紫。
そういう自我を持たない女は嫌いだとジョージから言われて必死に自分の足で立とうとする紫。
好きな男があれじゃ苦労するよな。。
愛してもらってるかもしれんけど、私ならいっつも機嫌をうかがってびくびくしてしまう。
何を言えば機嫌を損なうのか考えすぎて何も言えなくなるパターンやろな。
それを思えば紫は結構言いたいこと言ってるし、お似合いのカップルなんやろな。
でもあれは疲れると思う。
だからこそラストが胸にすとんと落ちる。
普通の恋愛漫画だと留学したジョージを追いかけてハッピーエンド…なんだろうけど、そうしないとこが矢沢あいだなぁと思う。
理想と現実は違うとはっきり描いてる。
そういうとこすごい。絵もストーリーも完全に夢の世界なのに、登場人物たちは堅実にリアルに生きていく。
そのギャップがまたいいんだよなぁ。
完全なる少女漫画なのに、読者を裏切る展開になるとこが好き。
現実離れしたドレスを作る、でもそれじゃ企業デザイナーはできない。
好きな服を作れないならデザイナーを辞める方が…という現実的な結論を出すジョージ。
結局彼は好きな服を作るため留学するんだけどさ。
彼とずっと付き合うのは難しいと思う。
性格があまりにまっすぐじゃないから。
自我がある女が好きって言ってるけど、自我がしっかり確立してる女はジョージを選ばないと思う。
彼は一生一人ちゃうかな。
実写版映画も見たけど、ラストがちょっと違ってたな。
でも原作漫画のラストの方がずっとずっと好き。
リアルだから。
どっちかと言うと、漫画の方がリアル追及してて、映画の方が夢物語やったわ。
ちょっと原作ファンは不満やったかもしれんね、あの映画は。
原作を再読して映画も思い出してみるとそんな感想。
おっしゃれ漫画やけど、すっごく面白いです。
NANAよりこっちの方が好き。




ご近所物語 文庫版 コミック 全5巻完結セット (集英社文庫―コミック版) - 矢沢 あい
この記事へのコメント